表面処理の基礎知識|表面を科学する【株式会社ケミコート】

金属表面処理のことならおまかせください|表面を科学する【株式会社ケミコート】

表面処理の基礎知識

表面処理とは


通常、金属は素地のまま製品になることはまれで、多くは表面保護と美観を目的として塗装を行います。そして、塗装を長く美しい状態に保つためには表面処理が不可欠です。

表面処理の第1段階として、金属表面の油やゴミを取り除く必要があります。成形加工後の金属表面には、油やゴミがついているので、これをそのまま塗装しても塗装がぶつになったり、すぐに塗料が剥がれてしまいます。

一般に油をとることを「脱脂」、使用する薬品を「脱脂剤」と呼びます。脱脂剤はアルカリ性で、脱脂後処理物に付着している薬品を洗い落とすため、水洗が必要です。脱脂、水洗後金属をそのまま放置すると錆が発生します。従って、脱脂から塗装までの間の防錆処理が必要となります。

防錆と併せて、塗装の密着性を向上させるのが「皮膜化成処理」で、使用する薬品を「皮膜化成剤」と呼びます。皮膜剤は酸性で、化成処理後処理物に付着している薬品を洗い落とすため水洗が必要です。

一般的な表面処理工程の例(リン酸亜鉛処理)

一般的な表面処理工程の例(リン酸亜鉛処理)

表面処理の工程

脱脂とは

脱脂の目的は、金属表面に付着している油(防錆油や加工油など)及びゴミを除去することです。脱脂を大別すると「溶剤脱脂」と「アルカリ脱脂」に分けられます。

溶剤脱脂は一般に原液・常温で使用でき、脱脂のみで塗装可能であるため、少量処理に向いています。

これに対してある程度まとまった量を処理する場合には、コスト・作業性からアルカリ脱脂が有利です。

アルカリ脱脂には処理設備が必要ですが、薬品は希釈(通常2~5%)して使用するため、溶剤脱脂よりも使用量が少なく、浸漬のみならずスプレーで処理できます。

除錆とは

除錆の目的は、素材の黒皮・赤錆・溶接スケール等を化学的に除去することです。除錆剤は各種の酸を含んでいます。(リン酸、硫酸、塩酸など)

除錆剤に浸漬された処理物は酸と反応して溶解します。除錆剤には酸の他に抑制剤が配合されており、処理物への過度のエッチングを抑えます。

(抑制剤は処理物に吸着して保護し、エッチングを抑制します。但し、錆などの酸化膜には抑制剤は吸着しないので、酸化膜は抑制されずに酸により除去されます。)

表面調整とは

表面調整の目的は、次工程の皮膜化成の性能向上及び処理時間の短縮です。

表面調整を行うことにより、結晶が緻密になります。とくに電着塗装用皮膜剤は耐食性を向上させるために結晶が細かく、薄膜均一性が要求されます。

また、表面調整により皮膜化成処理時間が短縮されます。

スプレー用皮膜化成剤は通常1~2分で皮膜化成するため、表面調整剤の使用は一般的に不可欠となります。

皮膜化成とは

皮膜化成の目的は、塗装までの金属を防錆することと、塗装の耐食性、密着性を向上させることです。

皮膜は、処理対象がSPC(鉄鋼)である場合、大別すると「リン酸亜鉛皮膜」と「リン酸鉄皮膜」に分けられます。

管理の面はリン酸鉄が簡単ですが、塗装の耐食性はリン酸亜鉛が優れています。

皮膜化成処理では、皮膜剤が金属と反応して、金属表面に水に不溶性の金属化合物を作ります。

この金属化合物が化成皮膜で、金属表面を錆から守り、塗料の密着性、耐食性を向上させます。

表面処理の管理

薬品の管理

処理物の材質、表面状態、塗装規格等により、処理薬品を選定します。

選定した薬品の管理は濃度、温度、時間の3項目で行います。

この3項目の管理を的確に行うことにより、薬品建浴時の表面処理状態保たれ、塗装外観、および塗膜性能は良好に維持できます。

水洗管理

薬品処理後の水洗も重要な工程です。

使用薬品が他種類の場合、pH領域の異なる場合が多く(脱脂剤=アルカリ性、皮膜化成剤=酸性)、薬品処理後の水洗が不十分で、次の薬品処理工程に持ち込まれた場合、成分バランスが崩れて表面処理不具合となる場合があります。

また、最終水洗が汚染された場合、表面処理状態は良好でも塗装後に密着不具合やブリスターを発生する場合があります。

設備管理

スプレーラインでは、上記2点の管理以外に設備管理も重要です。

上記2点の管理が的確に行われていても、ノズルが詰まりスプレーされない場合、脱脂不具合、化成不具合、水洗不具合等が発生し、塗装外観、塗膜性能に不具合が発生します。

ディップ(浸漬)ラインでも、処理槽内の攪拌がされている場合、攪拌装置が正常に動作しているかどうか等管理が必要です。