ペイントキラー剤の効果について|表面を科学する【株式会社ケミコート】

ペイントキラー剤の効果について

ケミコートが扱っているペイントキラー剤について説明します。

塗装

塗装は主に塗膜によって素材を保護して製品が長持ちするようにするとともに、色を付けたりして見た目を良くするために行います。工場で採用される塗装方法の一つにスプレー塗装があります。スプレー塗装では、一般的にオーバースプレーというものが発生します。スプレー塗装では塗料を吹き付けた時に製品から外れて飛んで行ったり、製品に付着せずに跳ね返ってくる塗料が発生して、オーバースプレー塗料となります。

工場で塗装する場合、オーバースプレー塗料をそのままにすると塗装現場周辺に付着してしまったり、工場内に舞ってしまったりして工場内の環境が悪くなってしまいます。このようにオーバースプレー塗料をまき散らさないようにするため、塗装ブースで塗装作業を行う必要があります。

塗装ブース

塗装ブースには、排気ファンが設置されていて稼働中は常に塗装ブース内の空気を外に排出しています。この空気の流れに乗せてオーバースプレー塗料を集めています。集められたオーバースプレー塗料は、外に排出される前に空気から分離して回収されます。

フィルターなどによって分離する乾式ブースと水を使って分離する湿式ブースがあります。

乾式ブースの場合は、使用していく中でオーバースプレー塗料がフィルター部分に付着することで目詰まりを起こして排気能力が低下していきます。定期的にフィルターを交換して排気能力を回復させることができますが、塗装量が多い場合はフィルターの交換頻度が高くなってしまいます。

塗装量が多い場合は、湿式塗装ブースが採用されます。湿式塗装ブースでは、オーバースプレー塗料が混ざった空気を水と混ぜることで、オーバースプレー塗料を水の中に捕集します。オーバースプレー塗料が取り除かれた空気はブースの外に排出されて、水の中に捕集されたオーバースプレー塗料は塗装ブースの中に溜まっていきます

この時、一般的に溶剤塗料と水性塗料で挙動が異なります。

溶剤塗料の場合、通常水と混ざらないため水面に浮いたり水底に沈んだりします。その際に塗料のべたつきが原因で、塗装ブースの配管やタンクの壁面に付着する場合があります。

水性塗料の場合、塗装ブースの水と混ざって分散します。水と混ざりにくい成分がある場合は、水底に沈む場合があります。

塗装ブースのメンテナンス

溶剤塗料と水性塗料で挙動が異なりますが、塗装ブースの中にオーバースプレー塗料がたまってくると、様々な問題が発生します。べたついた塗料が、配管やタンクの壁面に付着して水の循環を妨げたり、水中に分散している塗料成分が濃くなって流動性が低下したりして塗装ブースの稼働に悪影響が発生します。また、塗料成分が原因で塗装ブースの水が腐敗して、悪臭が発生してしまいます。

乾式ブースを採用した場合のフィルター交換と比べると頻度は低いですが、湿式ブースの場合は水を入れ替えやブースの清掃を定期的に行う必要があります。

このときのメンテナンスは、塗料成分を大量に含んだ水を廃棄したり、配管の中やタンクの壁面に付着した塗料を取り除いたり、沈んでいた塗料成分を除去したりする必要があります。塗装ブース内に溜まった塗料は、硬く大きな塊になっていたり配管や壁面に強くくっついていたりして取り除くのが非常に困難な場合が多々あります。水の廃棄コストがかかり、また塗装ブース内に付着した塗料の除去も非常に大変な作業になります。

ペイントキラー剤の効果

こういったコストや作業を軽減するのに役に立つのがペイントキラー剤です。

日々の塗装に合わせて適切な量のペイントキラー剤をブースの水に添加することで、水に入ってきたオーバースプレー塗料が処理されます。溶剤塗料の場合は、溶剤塗料のもつ強いべたつきを軽減して塗装ブースへの付着を防ぎます。水性塗料の場合は、水に混ざった塗料成分を分離して水が汚れるのを軽減する効果があります。

ペイントキラー剤で処理された塗料を日々回収することで、塗装ブースに塗料が溜まりにくくなるため、設備の不具合や水の腐敗を抑えることができるようになります。塗料の使用量が多い場合は、ペイントキラー剤と合わせて自動回収装置を使用すると効果的です。塗料を装置で回収しやすいようにしてやります。また、ケミコートのペイントキラー剤は消臭成分を配合しているため、水の腐敗を通常よりも軽減する効果があります。

日々、ペイントキラー剤で塗料が処理された塗料が回収されるため、塗装ブースの水が腐敗するのを抑えて長く使用できてメンテナンスの回数を減らすことができ、メンテナンスの際にも作業がしやすい状況になっています。

このようにペイントキラー剤は、塗装ブースの水を良好な状態に保つことで悪臭の発生を抑制するとともに廃棄される水を減らして環境への負荷を軽減したり、オーバースプレー塗料を扱いやすい状態にすることで塗装ブースの不具合を軽減するとともに塗料の回収やメンテナンスをしやすくする効果があります。

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