接触腐食
接触腐食とは、イオンを含む液体(電解質)の存在下で、イオン化傾向が異なる二種類の金属が接触することで発生する腐食現象です。イオン化傾向が高い金属が陽極となり、電池作用によって急速に腐食が進みます。異なる金属部品を組み合わせた機械や構造物で起こりやすく、予期せぬ強度低下や製品の故障につながるため、材料選定や絶縁処理が非常に重要です。
異種金属が接触する場合には、片方の金属が陽極(カソード)、もう片方が陰極(アノード)になりますが、これは各金属固有の腐食電位によって決定されます。そのため、同じ金属素材でも対となる異種金属の種類によっては、陽極になったり陰極になったりします。
腐食の際に陽極になりやすい金属を卑な金属(卑金属)、陰極になりやすい金属を貴な金属(貴金属)と呼びます。陽極になりやすい金属は、マグネシウムや亜鉛、アルミニウムがあります。また、陰極になりやすい金属は、白金や金、銀があります。
金属製品の設計の際には、このような腐食電位を考慮した設計が必要となります。