リン酸マンガン処理|表面を科学する【株式会社ケミコート】

リン酸マンガン処理

リン酸マンガン処理とは、リン酸塩処理の一つです。リン酸マンガン処理は、主成分がリン酸イオンとマンガンイオンで構成された処理溶液を用い、鉄鋼製品の表面にリン酸マンガン系の結晶性の皮膜を生成させる化成処理です。処理温度は約80~90℃、処理時間は約5~30分です。

皮膜重量は1~60g/m2で、リン酸亜鉛処理よりは厚く、表面の粒子が粗いという特徴があります。

耐摩耗性に優れ、潤滑作用を大きくする特色があるため、主に、耐摩耗皮膜や潤滑用皮膜として用いられます。具体的には、ギアやピストンといった自動車部品や油圧高圧摺動部品の化成処理に使われます。リン酸マンガン処理により、機械仕上げ面の削り目を消すことができるため、回転摺動部分の部品同士の初期馴染みが良くなります。また、皮膜は剥離することがなく、油の吸収性や保持性が良いため、摺動部分の焼き付きやカジリを抑制する効果もあります。これにより、エネルギーロスや油の使用量を削減できるので、省エネ・省コストにつながります。

また、表面粒子が粗く塗装の密着性を向上させる効果もあるため、塗装の下地としても使用される他、防錆皮膜としても用いられます。

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