酸化皮膜とスケールに関するまとめ|表面を科学する【株式会社ケミコート】

金属表面処理のことならおまかせください|表面を科学する【株式会社ケミコート】

酸化皮膜とスケールに関するまとめ

金属表面に自然発生するものに酸化皮膜と呼ばれるものとスケールがあります。
この二つの違いについてまとめてみました。

酸化皮膜とは

酸化皮膜について、鉄鋼やアルミニウム、ステンレス等の金属類の表面に自然発生するものはさびや不動態皮膜とも呼ばれています。これは、金属表面が空気に触れることにより酸素と反応して発生します。
通常、自然酸化によって鉄に生じるさびは赤さびと呼ばれます。酸化皮膜は金属表面と空気との接触を妨害する効果もあるため、保護膜としての性質を持っていますが、赤さびはもろくて隙間の多い膜のため、保護膜としての効果は非常に低いものです。その為、工業的には、意図的に酸化皮膜を生成し、腐食に強い金属加工をすることでさびに強い金属製品を作っています。
酸化皮膜は保護膜として働く効果を期待できますが、一方で、電気伝導性能には悪影響を与えてしまいます。
そのため、精密機器を製造する工程や電気伝導性能が求められる半導体等では塩酸や酸化皮膜除去剤を使って酸化皮膜の除去を行う必要性があります。

スケールとは

スケールとはいわゆる水垢のことで、電気ポットや加湿器の内側に発生する硬くて灰色がかった粉を吹いたような堆積物のことです。水を熱する装置に堆積するものは水から沈殿した石灰(炭酸カルシウム)が主成分で、カルシウムやマグネシウム、炭酸水素塩を含んでいます。
石灰(炭酸カルシウム)はもともと水に溶ける性質を持っていますが、70度を超えると水に溶けない炭酸塩に変化してしまうため、結晶化して堆積してしまいます。
不衛生なものではありませんが、石灰(炭酸カルシウム)は酸に溶ける性質があるため、クエン酸で除去が可能です。
蛇口や浴室などにみられる白い結晶も、石灰(炭酸カルシウム)と蒸発前の水に含まれるその他の塩の混合物です。水中の塩類に石鹸が加わる場合、硬水中のカルシウムの陽イオンと石鹸で化合物を作り出し、金属石鹸となることがあります。石鹸は中和した脂肪酸や陰イオンの塩を含んでおり、水に溶けにくい状態となります。これがいわゆる石鹸かす汚れです。浴室の石鹸かす汚れは落ちにくく厄介ですが、この金属石鹸は業務用としても製造・利用され、金属加工用の潤滑剤や粉末冶金などにも幅広く使用されています。

“酸化皮膜”と“スケール”の違い・まとめ

酸化皮膜もスケールも金属表面に自然発生するものですが、酸化皮膜は金属表面が酸素と反応することによって生じる保護膜、スケールは水に含まれる石灰(炭酸カルシウム)が結晶化したものです。
酸化皮膜には金属表面を保護する役割がありますが、スケールには金属自体に対する保護機能はありません。
酸化皮膜は精密機械を製造する過程や電気伝導性能が求められる半導体などではかえって支障をきたすこともあります。
スケール自体は害もなく、使い道のないものですが、金属石鹸はその特性を生かし、合成樹脂・錠剤成型時の滑剤や離型剤、製紙・金属加工用潤滑剤、研磨布紙またゴム工業用打ち粉など潤滑剤や合成樹脂添加剤などとして様々な分野で広く使われています。